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出席カードに名前と授業の感想を書いて提出するためだけに90分も拘束されるのは御免蒙りたかったので「日本は今右寄りだ」と断言する感想を書いて教室を後にした。



学校からの帰り道、高校生が学外清掃をしている傍を通り過ぎた。

そういえばあたしも高校生の頃よくやっていた。



あたしは中学に入った頃から遅刻が目立つ生徒だった。

学校をサボったり早退したりする事もあったが、それは一般の生徒がする程度であって、決して多い方ではなかった。しかし、遅刻はいつもクラスで一番多い生徒だった。家を出るのが遅くても急げば間に合うけど、遅刻がへっちゃらだったのでのんびり登校した。



高校も相変わらず毎日遅刻していたけど、高校の先生はいつも門で遅刻する生徒を待ち構えていた。遅刻してきた生徒が見えると、100メートル先でも大声で名前を呼んで急かすので恥ずかしかった。それに、遅刻して行くと必然的に先生のチェックも厳しくなる。化粧やスカート丈について毎回怒られた。



ヘラヘラ笑って謝ればやり過ごせるのだけど、そう毎日毎日だとこっちも面倒くさくなってくる。そうやって遅刻する生徒を減らして行く作戦だったのかもしれないけれど、あたしは逆にもっと遅刻するようになった。先生が門で待ってるのはせいぜい1限が終わるまでなので、その頃合を見計らって登校するのだ。



先生は遂に罰を与えるようになった。

あたしの為を思ってか、先生の意地がわからないけれど、必死だった。ここまでされるとあたしもさすがに「遅刻ってそんなにいけない事だったのか」と思うようになった。



それでもやっぱり遅刻癖は直らないので、放課後学外清掃をさせられる事になった。



最初は空き缶やタバコやお菓子の袋などを拾っていたけれど、先生に与えられたゴミ袋は大きく、全然ゴミは溜まらない。別に「袋いっぱい拾って来い」と言われた訳ではないけれど、いっぱいにしたかった。ただ、なんとなく。



すると公園に、ボロボロに錆びてタイヤの無い自転車があった。もちろんゴミ袋には入れられないけれど、大きな収穫があったので意気揚々と学校へ持って帰った。



自慢げに先生に見せると、先生は呆れたような顔をして笑った。



ゴミ拾いを命じられると、一応はふてくされてみるのだけど、次の罰からは他の遅刻者も参加してきたので、みんなで拾ったゴミの量を競ったり、ポケットやカバンからゴミを出してズルをしたのが先生にバレて怒られたり、結構好きだった。



遅刻は全く減らなかったけど、あたしのおかげで学校の周りはとても綺麗だった。
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