揚げプリン

カラオケのバイトで、賞味期限の切れたプリンが２つあった。近所さんが１つ食べて、もう１つをあたしにくれた。あんまりお腹が空いてなかったので、別に食べたいとは思わなかった。ただ暇だったので、このプリンを使って暇を潰したかった。



「近所さん、これ揚げましょうよ」と言うと、近所さんはニヤニヤしながら仲間になった。



近所さんは、このカラオケバイトの中で１番ノリが良くて、あたし大好き。２ｃｈネタ通じるし、下ネタ通じるし、就活の相談にも車の相談にも乗ってくれるし、一緒に遊んでくれるし、カッコイイし、優しいし、大好き。だから、姉と付き合ってくれたらいいのに。と思っている。今結構良い感じになってきてる。かなり協力してる。がんばれ。そして義兄となれ。



そうこうしている内に、冷凍庫でプリンが程よく凍ってきた。からあげと同様に、かたくり粉とコーンスターチをプリンに塗し、油の中へ投入した。普段のフライ物の１０倍くらいの音がした。どしゃ降り雨のようだった。予想外の音の大きさに、近所さんと一緒にお腹を抱えて笑った。気付くと、油に怪しい物体が浮いていた。「ヤバい！プリンが溶けよる！急げ！」と言われ、超特急でプリンを油からあげた。



なんか、若干まわりが固まってるっぽい。焼プリンの表面のような感じだった。他のバイトにバレないように、声を殺して爆笑しながら食べた。２人とも顔を見合わせて「・・・・・これは・・・・・・・・・」と言った。冷凍したプリンが解凍された食感と味がした。しいていうなら、やや冷たい。マジ意味なかった。油に何か浮いてる。「今日は油替えだな」と思った。