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厨房にゴキブリの子供がいた。あたしは虫が怖いのだけど、ゴキブリは虫の中でもベスト10に入るほど怖い。とても苦手だ。結婚するなら、ゴキブリを殺すのが平気で、上手くて、そしてその死骸でからかってこない人が良い。
タカちゃんが殺してくれた。ティッシュで潰していた。
「腹を潰したけど、まだ生きてたよ」
「頭は潰した?」
「いや、腹をもっと潰しておいた。頭はちょっと生きてるよ」
タカちゃんは、頭がちょっと生きているというそのゴキブリをゴミ箱へ捨てた。あたしはゴミ箱の傍を通るたび、怖いような嫌な気分になっていた。近寄りたくなかったので、厨房の外に出てゴミ箱に背を向けて立つことにした。
「ジャスミン」と呼ばれ振り向くと、タカちゃんがニタニタと笑って手を差し出した。その手をパッと開くと、中には小さなゴキブリがいた。
一瞬硬直し、すぐ叫び声をあげながら店の入り口まで走って逃げた。タカちゃんは大笑いをしながら、その手にあるカブトムシの磁石を冷蔵庫に貼り戻した。あたしは驚いたのと、ゴキブリじゃなかったことにホッとして涙が出てきた。そしてそのあと大笑いをした。
帰り際、タカちゃんが「さっき、びっくりした?お詫びに・・・」と缶コーヒーを買ってくれた。驚いたし怖かったけど、とても楽しかった。
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