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色々と話し合い、考え抜いた末、今日、あたしは猫を連れて実家に帰った。
昼前に家に着いた。駐車場を見ると、父のバイクは無かったのでほっとした。リビングは、一見片付いてるように見えたが、ホコリやタバコの灰などが床に散らばっていた。台所も、食器は洗いっぱなしで出ていたり、ビールの空き缶が床の隅に並べてあったりした。あたしは掃除機をかけ、座布団を干し、洗濯物をとりこみ、食器を片付け、空き缶を捨て、汗びっしょりになってリビングを片付けた。シャワーで汗を流し、エアコンのきいたリビングで、たまっていたドラマを見た。すがすがしい気分だった。
バイトを終え、スーパーで明日の朝食の材料を買った。台所を見た限り、父は主にインスタントの食品を食べているようだった。あたしのことは嫌いだろうから、朝食を作ったところで食べるかどうかわからない。だけど、朝食くらいは父の分も作ろうと思った。
家に帰ると、父はリビングでテレビを見ていた。後ろから、小さな声で「ただいま」と言った。久しぶりに父に話しかけたが、やはり返事は無かった。すごくドキドキした。逃げるように2階へ行こうとすると、「ちょっと待て」と、父に呼び止められた。
「そこに座れ」と指差され、昼間に干してフカフカになった座布団の上に正座した。久しぶりの説教が始まった。なんだか懐かしかった。父から目を逸らさなかった。じっと、父の目を見続けた。もちろん、不思議の国のアリス症候群の症状は現れ、父の顔がグングン大きくなった。懐かしかった。
父は、「ママの傷は、どんなや?」と最初に聞いた。「・・・・あんま、わからん」と言うと、「目立たんのんじゃな?」と聞き、ほっとした顔をしていた。ずっとそれが気になっていたのだろう。父は、母の顔に何箇所か傷跡を作っているから。
「お前はなんで警察を呼んだんや」「何もかも暴力と呼ぶのはおかしい」「例えママが呼べと言っても、それを阻止するのが子供の役目じゃろが」「お前らが全員出て行って、パパがショックを受けてないとでも思うんか」「出て行くならそれなりのリスクがある。それをわかった上の自己判断で出て行ったんじゃろうが。それなら帰って来るのもそれなりのリスクがあるってわからんのんか。」「帰ってくるなら筋を通せ」「お前は良かれと思って台所片付けたんじゃろうけど、パパが使い勝手良いように置いとったんじゃ。自分の考えが正しいと思うな」
これらを4回ずつくらい言われた。
「帰ってくるんじゃなかったな」と思った。
あたしは頭が良くないので、父に自分の意見を言えない。喋ってるうちに、自分でもよくわからなくなってきて、父もあたしも「?」となる。それがちょっとおかしかった。
あたしは、父に説教をされると、必ず泣いてしまう。あたしは、超泣き虫なのだ。でも、泣くと負けのような気がするし、今日は強気で行こうと思い、ずっと父の目を見つめ、「泣かないぞ泣かないぞ」と気合いを入れていた。途中ですごく泣きそうになったので、テレビショッピングの内容に集中した。深海ザメの内臓の大半を占める肝臓から採れる肝油がカプセルに入ってお値段7千ちょい。今から30分以内に注文した新規購入者にはさらにもう1箱プレゼント。こんなにテレビに集中したのに、泣いた。
父が、あたしのことを、最初は「お前」や「まりこ」と呼んでいたのに、ときどき「まーちゃん」と呼び出した。「帰ってくるなっていっとんじゃないんで」と言い出した。「12月にお前が勝手に旅行行った件とか、今回の件とか、そういうのがあっても、パパはお前らと家族であることをやめるつもりは全くない」と言った。「口にするまでもなく当たり前に、家族であることをやめるつもりはない」と言った。
説教のなかで、父が「お前はパパが嫌いじゃろうけど」と言った。あたしは、父が嫌いだ。姉と、冗談半分で殺人計画を何度となく立てた。死ねば良いと思っていた。ちょっと立ち上がって、3歩歩いて台所へ行き、包丁を持ち、3歩歩いて刺す、良し、殺せる。という脳内シュミレーションも、何十回もやった。
「・・・・・パパのこと・・・・好きじゃもん」と言うと、涙が今まで以上に大量に溢れ出た。嘘ではない。あたし、本当は父のことが好きだ。「嫌い死ね殺す」って思ってるけど、父が好きだ。涙と鼻水としゃっくりが止まらなくて、ぐしゃぐしゃに泣いていると、父はビックリしたようすで「旅行のこと、一言謝ればよかったのに・・・」と言った。それは嫌。あたしは悪くないって今でも思ってるもん。でも喋れず、ヒックヒックと泣き続けた。
「まぁ、話せて良かった。話してわかったことがいくつかあった。」「まーちゃん、ご飯は?」「ちょっとでも良いけえ食え」と言って、父がパスタを少量作ってくれた。茹でて、明太子マヨネーズで和えただけのパスタ。「ダイエットには、あまり良くないけど」と、父が笑った。笑った。びっくりした。
「ちょっと辛いかもしれない」と、父が笑った。辛かった。舌がヒリヒリした。「多かったかもしれない」と、父が笑った。多かった。でも美味しかった。全部食べた。「まーちゃんは、お酒とか飲むんか?」と聞いた。「少し」と言うと、「そうか」と言った。
わけがわからなかった。これは、父的には、説教終了したのだろうか。というか、むしろ仲直りしてしまったのだろうか。なんでこんなに和やかな雰囲気なのだ。あたしからも喋っていいのだろうか。雑談なんかをしちゃっても許される状況なのだろうか。ドキドキしながら、「・・・・パパの作ったご飯、すごい久しぶり」と言うと、父はあわてて「こんなん作ったって言わんけどな」と言って、食器を洗った。信じられない光景だった。小さい声で「洗ってるよー・・・」って言ってみた。
「お風呂入ってきんさい」と言われた。これは間違いなく、説教終了のお知らせだ。良くわからない。ただ、「パパのこと好きじゃもん」というフレーズが嬉しかったんだろうなぁ。と思った。もういいや。あたしパパと2人で暮らす。あと3人は好きにすればいいよ。でも、父に丸め込まれたって思われたら嫌だな。
バイトを終え、スーパーで明日の朝食の材料を買った。台所を見た限り、父は主にインスタントの食品を食べているようだった。あたしのことは嫌いだろうから、朝食を作ったところで食べるかどうかわからない。だけど、朝食くらいは父の分も作ろうと思った。
家に帰ると、父はリビングでテレビを見ていた。後ろから、小さな声で「ただいま」と言った。久しぶりに父に話しかけたが、やはり返事は無かった。すごくドキドキした。逃げるように2階へ行こうとすると、「ちょっと待て」と、父に呼び止められた。
「そこに座れ」と指差され、昼間に干してフカフカになった座布団の上に正座した。久しぶりの説教が始まった。なんだか懐かしかった。父から目を逸らさなかった。じっと、父の目を見続けた。もちろん、不思議の国のアリス症候群の症状は現れ、父の顔がグングン大きくなった。懐かしかった。
父は、「ママの傷は、どんなや?」と最初に聞いた。「・・・・あんま、わからん」と言うと、「目立たんのんじゃな?」と聞き、ほっとした顔をしていた。ずっとそれが気になっていたのだろう。父は、母の顔に何箇所か傷跡を作っているから。
「お前はなんで警察を呼んだんや」「何もかも暴力と呼ぶのはおかしい」「例えママが呼べと言っても、それを阻止するのが子供の役目じゃろが」「お前らが全員出て行って、パパがショックを受けてないとでも思うんか」「出て行くならそれなりのリスクがある。それをわかった上の自己判断で出て行ったんじゃろうが。それなら帰って来るのもそれなりのリスクがあるってわからんのんか。」「帰ってくるなら筋を通せ」「お前は良かれと思って台所片付けたんじゃろうけど、パパが使い勝手良いように置いとったんじゃ。自分の考えが正しいと思うな」
これらを4回ずつくらい言われた。
「帰ってくるんじゃなかったな」と思った。
あたしは頭が良くないので、父に自分の意見を言えない。喋ってるうちに、自分でもよくわからなくなってきて、父もあたしも「?」となる。それがちょっとおかしかった。
あたしは、父に説教をされると、必ず泣いてしまう。あたしは、超泣き虫なのだ。でも、泣くと負けのような気がするし、今日は強気で行こうと思い、ずっと父の目を見つめ、「泣かないぞ泣かないぞ」と気合いを入れていた。途中ですごく泣きそうになったので、テレビショッピングの内容に集中した。深海ザメの内臓の大半を占める肝臓から採れる肝油がカプセルに入ってお値段7千ちょい。今から30分以内に注文した新規購入者にはさらにもう1箱プレゼント。こんなにテレビに集中したのに、泣いた。
父が、あたしのことを、最初は「お前」や「まりこ」と呼んでいたのに、ときどき「まーちゃん」と呼び出した。「帰ってくるなっていっとんじゃないんで」と言い出した。「12月にお前が勝手に旅行行った件とか、今回の件とか、そういうのがあっても、パパはお前らと家族であることをやめるつもりは全くない」と言った。「口にするまでもなく当たり前に、家族であることをやめるつもりはない」と言った。
説教のなかで、父が「お前はパパが嫌いじゃろうけど」と言った。あたしは、父が嫌いだ。姉と、冗談半分で殺人計画を何度となく立てた。死ねば良いと思っていた。ちょっと立ち上がって、3歩歩いて台所へ行き、包丁を持ち、3歩歩いて刺す、良し、殺せる。という脳内シュミレーションも、何十回もやった。
「・・・・・パパのこと・・・・好きじゃもん」と言うと、涙が今まで以上に大量に溢れ出た。嘘ではない。あたし、本当は父のことが好きだ。「嫌い死ね殺す」って思ってるけど、父が好きだ。涙と鼻水としゃっくりが止まらなくて、ぐしゃぐしゃに泣いていると、父はビックリしたようすで「旅行のこと、一言謝ればよかったのに・・・」と言った。それは嫌。あたしは悪くないって今でも思ってるもん。でも喋れず、ヒックヒックと泣き続けた。
「まぁ、話せて良かった。話してわかったことがいくつかあった。」「まーちゃん、ご飯は?」「ちょっとでも良いけえ食え」と言って、父がパスタを少量作ってくれた。茹でて、明太子マヨネーズで和えただけのパスタ。「ダイエットには、あまり良くないけど」と、父が笑った。笑った。びっくりした。
「ちょっと辛いかもしれない」と、父が笑った。辛かった。舌がヒリヒリした。「多かったかもしれない」と、父が笑った。多かった。でも美味しかった。全部食べた。「まーちゃんは、お酒とか飲むんか?」と聞いた。「少し」と言うと、「そうか」と言った。
わけがわからなかった。これは、父的には、説教終了したのだろうか。というか、むしろ仲直りしてしまったのだろうか。なんでこんなに和やかな雰囲気なのだ。あたしからも喋っていいのだろうか。雑談なんかをしちゃっても許される状況なのだろうか。ドキドキしながら、「・・・・パパの作ったご飯、すごい久しぶり」と言うと、父はあわてて「こんなん作ったって言わんけどな」と言って、食器を洗った。信じられない光景だった。小さい声で「洗ってるよー・・・」って言ってみた。
「お風呂入ってきんさい」と言われた。これは間違いなく、説教終了のお知らせだ。良くわからない。ただ、「パパのこと好きじゃもん」というフレーズが嬉しかったんだろうなぁ。と思った。もういいや。あたしパパと2人で暮らす。あと3人は好きにすればいいよ。でも、父に丸め込まれたって思われたら嫌だな。
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