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あたしは、会話をする相手によってキャラクターを変えてしまう傾向がある。
自分自身を偽って、格好つけたり可愛い子ぶったりしているのだが、それ自体はとくに苦痛ではない。そういう風に偽って振舞うと、言いたいことが言えなかったり、思ってもないことを言ってしまったり、気を使いすぎたりして疲れると思いがちだが、あたしはそれが当たり前になってしまって、全く平気なのだ。例えるならば、声の大きさ。カラオケの個室で他人が歌っているときにする会話と、静かな図書室でする会話の大きさは大分と違うが、それは特に意識して声の大きさを変えているのではなく、自然と辺りに合わせて変わってしまっているので、どちらとも苦痛ではない。というのと同じである。今、あたしは上手い具合に例えられたと思って満足気な表情を浮かべているのだが、これを苦痛と思う人がいたら、今の例えは全く持って意味のなかったものとなる。
そんなこんなで、あたしは「一体どの自分が本当の自分なのか」という疑問を常々抱いている。
学校で会う程度の女友達には、とことん気を使っているし、上手く喋ることができない。たまにワイワイ盛り上がったとしても、あたしが常にふざけているときであって、後のワイワイにはほぼ参加していない。授業中、家から持参したマンガやDSで一人の世界に浸っていて、ふと気がつくとみんながワイワイ盛り上がっている。「あたしの彼氏が」「あいのりが」「ラブチェンが」「あそこのスイーツが」と盛り上がっている。彼女たちの彼氏に興味はないし、テレビはろくに見ないが、スイーツは食べたい。となりに座っている美女も、あたしに背を向けてはしゃいでいるし、今更会話に入るのは面倒くさいし、ということで再び一人の世界に戻っていく。たまたま気が向いて話しかけると、眩しいほどの笑顔を向けて相手をしてくれる女子大生。本当に眩しい。少し話しかけただけなのに、笑顔のまま見つめ続けられる。もう話すことはないのに、笑顔で見つめ続けられるので、あたしはふざけてくだらない冗談を言う。彼女たちはみな笑い上戸で、すぐにケラケラと笑ってくれる。後には退けず、どんどんふざけて冗談を言う。すごく疲れる。ひと段落ついたころにはグッタリして、話しかけたことをすごく後悔してしまう。
学校で会う程度の男友達は、あまり会いたくない。朝すれ違うだけなら頑張れる。「おはよう」と言うお決まりの台詞があるから。昼以降に会った場合、もしくは本日二度目のすれ違いなどはどうしていいのかわからず困る。だから、相手がこちらに気付いてなかったり、あたしが気付いてるのがバレてなかったら、極力目を合わさないようにする。ピロは男友達と容易に喋れるようで羨ましい。ピロとあたしがいたら、男友達はピロをからかう。
バイトで会う男友達には、何故か可愛い子ぶってしまう。なにか失敗をしたら見てもらう。見てなかったら呼ぶ。そして「なにやってんだよお前は」と笑ってもらって満足する。なにか上手くできると見てもらう。自慢する。とことん自慢する。そして「さすが」と褒めてもらったり、「そんなのできて当たり前」と笑ってもらって満足する。面倒くさいことは「できない」「やって」と言うし、面白そうなことは「やらせて」と言うし、欲しいものは「欲しい」と言う。例えばゴミをゴミ箱に向かって投げて、外す。あたしは、それを見ていた男の子の顔をパッと見て、「へへへ」と笑う。「何で俺を見るんだよ」と言いながら、男の子は笑ってゴミを拾ってくれる。そうこうしている内に、みんなもあたしを可愛がるのが当たり前になり、あたしが失敗をしても他人のせいにしてくれる。あたしがグラスを落として割っても、となりにいた男の子が責められる。もちろん冗談で。「ジャスミンは悪くないもんなー」とお姫様扱いをしてもらえる。
家族には、全てを理解してもらって当たり前という気になっていて、だけどちっとも理解はしてもらえてないので、「なんで分かってくれないんだ」とふてくされてしまう。寝起きはすこぶる機嫌が悪いあたしなのに、ヤイヤイとみんながご機嫌で話しかけてくるともうウザったくて仕方ない。一人で黙りこくっていると「感じ悪い」と非難を浴びる。母と弟の話には興味がない。母は同じ話を幾度となく繰り返し話すし、弟は会話が下手なので「えっと」「あのね」が多くて面白くない。面白いのは姉だけだ。だけどあたしは自分の話をするのが大好き。しかも自分が話したいときに話したいことだけ話す。それ以外のときに聞かれても「別に」と沢尻並の無愛想さ。だけどそんな態度をとっている時でも、「あぁ申し訳ないなぁ」とか「言い過ぎたなぁ」とか思っているのだ。
なんとなく、「やっぱり家族といるときの自分が本当の自分なんだろう」と思っていた。だけど、あたし、本当はこんなに悪い子じゃないはずだと思いたい。家族を大事だと思っているし、こんな態度がとりたいわけじゃない。ただ、家族にはどんな態度をとっても嫌われる心配がないので、面倒くさくて適当にあしらってしまうのだ。
よくわからない。面倒くさくなってきた。
だけど、あたしはこのブログで嘘はついていない。
ムカついた日にはムカついたまま殴り書きしているし、悲しい日には「悲しい」と書いているし、楽しかった日や嬉しかった日には、一日の始まりから終わりまでつらつらと書き綴っている。誰が見ているかもわからないけれど、ここでは格好つける必要がないと思っているので、これからもセキララに書いていきたいと思っている。
セキララ太陽のメイさんのように。