リボンの騎士

美女が　あたしに従うのは　何故　だ。



学校で“美女・ピロ・あたし”の３人はだいたい毎日一緒にいる。ほとんど同じ授業を取っているし、お昼は毎日一緒に食べる。





「美女ってまりちゃんに従うよね」







入学式の時、近くの席に美女がいて、ピロと「超ぶりっ子だけど可愛いね」と言っていた。あたしは可愛い女が好きなので、積極的に話しかけて友達になった。



美女は、１年間一緒に行動してたグループから抜けて、２年生になるとあたしたちと行動するようになった。





今日、美女がいない時、ピロが「美女ってまりちゃんに従うよね」と言った。最初は「何言ってるの」と笑ったが、よく考えたらそうかもしれない。



あたしが「帰る」と言えば帰るし、「オムライス」と言えばオムライスを頼むし、「まりちゃんはどうする？」「確かに」「思った」が口癖だ。ピロには無い。



何で？あたしが怖いの？



百合？

チャリ族

夜中にカタカタ遊んでいたのに気がついたらハチの車に乗せられてた。あわわこれが所謂（←でたｗｗいｗｗｗわｗｗｗゆｗｗｗるｗｗｗｗｗｗ）拉致なのね拉致なのね拉致らろれぇぇぇ！！！１１１１１１１１



理由も聞かされずっていうか聞かずファミレスに連れて行かれた。ハチがパフェを食べたけど我慢した。けど、ダメだった。ハチとカルボナーラを半分こして、チョコレートケーキを食べた。夜中に食べた。これって肥満児にとって自殺行為ってやつだー。あははー。



結局何だったのかというと、ツレションならぬツレ告。

愛の告白をするからついて来てほしいんだと。



へぇ〜。



「ってハチ！お前彼氏いるだろ！！」とか普通言うんだろうけど、まぁそこは気にしない。そんな突っ込みハチには今更すぎるからバーロー。



で、愛の告白をする相手はヒチの彼氏で寿司屋の主任。

さんかくかんけいさんかくかんけいあばばばば。

ヒチも寿司屋のバイトでうちらと仲良しだから、バレたら気まずＭＡＸなわけだからこれってすごく内緒の話。



てか主任の仕事終わるの待ってる間にハチがハチ彼に電話してた。「今から主任に告白するのに何で電話してるの？」と聞くと「浮気してないかチェックしてる」と言われて笑けた。何このカップル。もうお互い浮気しまくってるんだから別れればいいのに。



そしてとうとう告白する事になったのだけど、あたしを車内に残して２人っきりで告白とか、ツレ告の意味無い無い無い。あたしって何。太りに来ただけ？えぇぇぇええぇぇ。つまらぬい。気がついたら眠っていて何がなんやらですわ。ただ太って睡眠不足なだけ。あれえ〜？

風邪ぴーた

あたしが呑気にバイト仲間と遊んでた火曜日。

バイトのボス（って勝手に思ってる１個下女）が車狂と遊んでいたらしい。

そういえば以前メガネと車狂とあたしとボスの４人で、少しだけ遊んだ事があったなぁ。



「２：２で遊んだ」と言うから「え、車狂の連れって…」「…うん」「メガネかけてた…？」「…うん」。なるほど。出会い求めてんじゃねーよメガネ。



でも、ボスもボスの連れの子も「メガネ君、無いわぁ」と言ってたみたいなので安心です。ざまぁみそしるうんこ。でもカッコいいと思うんだけどな。



悶々。













悶々。



としてたら車狂から着信あり。

すごいタイミングでつね。久々に車狂と電話をしたけど相変わらず良い奴。確かにメガネを通して知り合ったけど、あたしたちは友達なんだから連絡取らなくなる必要ないよね。えへへ。とか言ったか言わなかったか知らないけど「近々遊ぼうや」と約束をして切った。



悶々。

おすす

バイト先のおすす屋さんはチェーン店かもしれなくって福山にも同じお店があるんでつー。そんでハチの彼氏とか色々知り合いが働いてるから楽しいし、バイトの仲良しで行って来たんですー。あひゃひゃ。そんな一日。それ以上もそれ以下もない。バイバイ。

おすし

 

学校サボって福山の寿司屋に行って来たんじゃけどぶーち腹立つ事ばっかでマジ最悪だったし。ほんま行くんじゃなかったとまでは思わんけどちったぁ気ぃ遣えやって感じ。



あたしが運転しよったんじゃけどマキーがヘラヘラしながら「まりちゃんの運転イライラするわぁ」とか笑い出して。１００キロ出しとんじゃけ十分じゃろが。「普通１４０キロくらい出すんじゃないんヮラ」とかお得意の「ヮラ」攻撃じゃけマジイライラすんじゃ。免許持っとらんくせにイキがんな。高速の真ん中で降ろしちゃろーかと思った。



福山マジ遠くてむっちゃ疲れたんじゃけど、着いても誰も「おつかれー」とか言ってくれずにキャッキャはしゃいで我先に店の中に入って行きよるし。食べた物の値段をみんなで想定してる時に「そういえば高速代ちょうだい」と言うと「あーｗお金の話せんかったらよかったね」と笑い出すし。別に冗談なんじゃろうけどピキってきた。プリ撮るときもみんなお金出そうとせんし、割引券もみんな持っとるくせに出そうとせんし、ハチ彼が「おごっちゃる」っつっとんのにハチが「悪いけぇ」とか言って断るくせにハチ彼からお小遣い何万ももらってんじゃねーよ。悪いの意味がわからんわ。



帰りもハチは当たり前の顔して助手席座っとるし。高速乗った途端グーグー寝だしたくせに自分の好きな曲が飛ばされたら「今の曲聴きたかった」って言うし。寝るんなら黙って寝ろや。マジ眠くて事故りそうなのを頑張って運転してきて高速降りてハチの家に向かってたら「どっち行っとん？うち今からマキーとホスト行く事にしたけえ家じゃないよ」とかうぜえ事この上ない。だったらさっさ言えや。



んでマキーとヒチの原付が停めてあるコンビニまで送ってったらハチが降りんけえ「なんしよん」と言うと「駅まで送って」だって。うざい駅とか逆方向だし遠いんじゃけど。なんでハチがホストクラブに行くのにあたしが送らにゃいけんのん。「バスで行って」と言ってもウジウジして降りんけえ「はーもうええわ。送るわ」と駅まで送ったけど。ぶち腹立つわ。ぼったくられて来ればいいのに。ホストクラブ行くとかキモイんじゃ。





ってママに愚痴ったらスッキリした。

「ちゃん」

「旅行愛好会」が復活したらしく、部員を募集していた。

ポスターを一目見た瞬間「学校のお金で旅行らめぇ」と思い、仲の良い子を誘った。

ピロはダンス部、美女はバド部、とすでに彼女たちは部活に入っているのであまり気乗りでなかった。ただ、あたしが「旅行愛好会」をナメてかかっていて、乗っ取る気満々だったので「まりちゃんが部長になったら入る」と言われた。



そんな話を忘れた頃、ナオヒロから「旅行愛好会どうなった」と電話がかかってきた。ナオヒロは結構やる気だったらしい。「楓も入りたいって言ってるんだけど」と言われたので「楓を誘うならあっこも誘おう」という事になった。

楓とあっこは勝気な性格なので、乗っ取る作戦で行く時に戦力になると思った。



昼休みに喫煙所で待ち合わせをした。

ナオヒロ、楓、あっこ、綾乃、ミキがいた。



ナオヒロはくせ毛でヒョロっとしたひ弱な男。

楓は金髪にショートカットのヤンキー。

あっこは長身で目が小さく化粧も薄い。

綾乃は金髪にロングヘアで露出の多いヤンキー。

ミキは小柄で黒髪で美人でヤンキー。



目立っていた。すこぶる目立っていた。

女の少ない大学で、女の少ない喫煙所で、学校に数える程しか生息しないヤンキーが集まってタバコを吸っていた。

綾乃はそこまで仲良くないし１年間休学していたし、ミキは直接の友達じゃないし、すごく近寄りがたかった。



でも、楓もあっこも綾乃もミキも、お互い以外は男友達しかいない。だから、サークルに入って友達を増やしたいっていう事らしい。







困っつあ困っつあ。



「見た目怖いし近寄りがたいけど、中身は普通の子だしぃー」

なんて思っていたけど、やっぱりちょっとキツイし正直にものを言いすぎだし男っぽいもんで、ぶりっ子で有名な美女の事が嫌いだと言われた。



そして、あたしも見た目を気にする小さい人間なので、学内を彼女たちと一緒に行動するのが少し恥ずかしかった。スウェットに健康サンダルで学校に来ちゃうような人だし、一緒にいて「え、あの子ってあーいう子とつるんでる系なんだぁ」と見ず知らずの人に思われるのが少し嫌だなぁーと。思って。しまって。最低。



人は見た目じゃないとか言うけどそんな簡単な事じゃないんですうー。ばーか。言われんでもわかっとるわー。ばーか。わーん。ごめんねごめんね。みんな大好きだよ。



中高の女の子って大体３つの分類に別れてたじゃん。

ヤンキー・ギャル系と、わいわい系と、大人しい系。

あたしずっとわいわい系だったから、なんかヤンキーの隣にいるのが自然じゃなくて、ちょっと緊張しちゃう。普通に話すのは平気だけど、そこまで仲良くなる人種じゃなかったから、なんか、いいのかあたし。って感じ。いや別にいいんだけど。





サークルは、旅行愛好会を乗っ取るよりは自分達で作った方が良いんじゃない？という流れになってきたので、来週あたりナオヒロとあたしで学校に聞く事になった。何となくこの２人が代表っぽい雰囲気で面倒くさいけど、自分の我侭が通りやすいので辛抱しよう。そして、ナオヒロの友人という男も何人か入るらしいけど、彼らはヤンキー女が苦手らしい。



あーどうすればいいのー。

人は見た目じゃないのよー。



ぶりっ子の美女も、家や部活では素なんだから、普段も素になればいいのに。

ヤンキー達は、素すぎる。

ナオヒロの友人は・・・・・とりあえず顔見せに来い。



どうするどうする。

人格権無視

学校は楽しいなぁーっと。