腕時計

２０歳の誕生日に、親に腕時計を買ってもらいました。

数ヶ月前に電池が切れ、動かなくなってしまいました。

「あぁ、電池交換に行かなくてはいけないなぁ」と思いながら、何日も何日も過ごしていました。



「腕時計してきてね」と会社の人に言われました。

「あぁ、電池交換に行かなくてはいけないなぁ」と思いながら車を運転していると、警察に呼び止められました。

「何だ何だ？検問か？シートベルトもしているし、免許証も持ってるし、飲酒もしてないし、うんバッチリ。ドンと来いだ」と自信満々で窓を開けると、「ここ、朝は左折禁止だよ。２点減点の、罰金７０００円ね」と言われました。



「電池交換っていくらするんだろう」と思いながら車を運転していました。

時計屋さんを２つ見つけました。

「両方のお店に値段をきいて、安いほうで交換しよう」と思い、１つめのお店に入りました。


「この時計の電池交換はおいくらですか？」と尋ねると、おじいさんは「電池交換ね」と言い、裏蓋を外しました。

「まぁ電池の種類とか見ないと値段わかんないもんね」と思っていると、おじいさんは新しい電池を探しだしました。

「まぁ合う電池がなきゃ値段わかんないもんね」と思っていると、おじいさんは新しい電池をはめました。

「まぁはめて動かなきゃ値段わかんないもんね」と思っていると、おじいさんは裏蓋をはめました。

「え、値段聞いただけなんだけどなぁ～」と思っていると、おじいさんは「１０５０円ね」と言いました。


１０５０円支払って「どうもありがとうございました」とお互い深々とお辞儀をしてお店を出ました。