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電車に乗っていると、目の前に子供を2人つれた女性が座っていた。
子供は3歳と5歳程度で、2人とも坊主頭の男の子だった。2人の兄弟は、大声で叫んだり、飛び跳ねたり、歌ったり踊ったり、とにかくうるさかった。母親に「うるさい!静かにしろ!」と怒鳴られ、兄弟は一旦静かになったが、兄は母親の目を盗んで弟をからかった。そして、我慢しきれなくなった弟は、大声で喚きながら兄に全力で殴りかかった。
母親は「いいかげんにしなさい!」と大声をあげ、弟を平手で殴った。弟はワァワァと泣き出し、兄はそれを見てニヤニヤと笑った。
それからしばらくすると弟は泣き止み、ケロッとした顔で兄と一緒になって遊んでいた。大声ではしゃぐたびに母親は怒鳴ったり殴ったりするのだが、兄弟が静かになるのは一瞬のことだった。
「ちょっと奥さん、落ち着いてください。子供に怒鳴ったり手をあげたりするのは逆効果ですよ。」と止めたくて仕方がなかったが、あたしには子育ての辛さがわからないので偉そうな口は聞けなかった。さらに電車の中という公衆の面前で母親に恥をかかせると、あたしだけではなく、この兄弟に対しても怒りを感じてしまうかもしれない。そんなことを考えているうちに、親子は電車を降りてしまった。
こういうとき、あたしはどうしていいのかわからない。わからないから、ただ見て見ぬフリをするしかなくなる。誰かが何か声をかけてあげている場面に遭遇したこともない。その場で正義感たっぷりに説教することは簡単だけど、その後のことは何もわからない。たとえ正しいことが言えたとしても、それが結果として良い方向へ行く保障など何もないのだ。
とりあえず、今のあたしにできることは、客観的に見たこのような状況と、自分が子供だった頃の気持ち、これを忘れないようにすることだと思う。