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我が家は、小さい頃からインターネットができる環境だった。
初めてのオフ会は、小学校低学年の頃に行った、今は無き“アンネット”のオフ会だった。小学生から大人まで、色々な人がいた。プレゼント交換をするというので、あたしと姉は、東急ハンズで買い物をした。あたしは少し変わった乾パンと、不思議なメガネを買った。
アンネットで、一体何をしていたのが、昔すぎて覚えていない。その次は覚えている。どこかのチャット専用のサイトだった。おかしな人の集うチャット、通称おかチャ、姉はそこの住人だった。同じサイト内にある、若い人の集うチャット、通称わかチャ、あたしはそこの住人だった。今、久しぶりに「おかしな人の集うチャット」で検索してみたら、まだあった。というか、懐かしむために再現されたようだった。それでもちょっと感動した。
そこで、付き合ってる人たちが何組かいた。実際には会った事がないけれど、写真を交換し合ったり、してなくても、チャットだけの関係で、付き合ってると言ってる人たちが何組かいた。
余談だが、このチャットサイト(KSCというサイトらしい)で、ICQというものを知った。そして、毎日ICQで話しているうちに、あるお兄さんが、「君はきっとこういう番組が好きだと思うよ」と言って、NHKの爆笑オンエアバトルを教えてくれた。あたしがヤフーチャット大喜利をはじめることになる、最初のきっかけはここだったと思う。
KSCを何となく離れていき、中学生になったころ「中高生のチャット」というサイトにハマりだした。(ちなみに「だいちゃんち」というサイトとは関係ない。)ハンドルネームは「まり」から「めのう」へと変わった。何故「めのう」にしたかと言うと、本当に単純な話で、「名前とは関係のないハンドルネームが欲しい」と姉に相談すると、姉が広辞苑を適当に開き、そこに載っていた「瑪瑙」というのを指し、「宝石の名前らしいよ。めのうにしたら?」と言うので、「めのう」にした。
ここも、色々なチャット部屋があったのだが、あたしは「高校生の部屋」以外は、全部入り浸っていた。「1」という人がいて、彼の発言はすべて平仮名だった。もちろん彼の事を知らない人は、「ひらがなウゼぇ変換しろ」と言うのだが、1はヘラヘラしていた。
ここのサイトでは色々な事を知った。まず、2ちゃんねるを教えてもらった。2ちゃんねるでは「1さん」という人がいて、みんなにボロクソ言われまくっていた。どの板でも叩かれてる「1さん」と、うちのチャットにいる「1」は同一人物だと思っていた。「1」を尊敬した。
「狼」というハンドルネームの人がいた。彼は発言の最後によく「w」を使っていた。あたしは「(笑)」を使っていたので、「w」が何を意味するのかわからなかった。でも、閃いたのだ。「w」というのは、狼の口を表していることに気がついたのだ。半年くらい、ずっとそう思っていた。本当の意味を知ったときは、恥ずかしくて死にたかった。
そして、「風太」という男が現れた。あたしは彼に告白された。生まれて初めて、ネット友達に告白された。すごく嬉しかった。そして気持ち悪かった。このサイトでも、付き合ってる人たちは何組かいた。パワーパフガールズという、まだ日本では知られてないはずなのに、こんなハンドルネームを持つ女の子と、アキラという男の子は付き合っていた。そして、今度はあたしの番なのだ。
今までネット恋愛なんて、他人事だと思っていたので、かなりパニくった。パニくりながらも、なんと風太に住所を教えて写真を同封してもらうという大それた事を提案した。そして実現した。写真の風太は、ビックリするほどブサイクだった。「風太キモい=ネット恋愛キモい」という図式ができあがった。ちなみに後から見たのだが、アキラと1はかなりイケメンだった。
「カラス」という同い年の男の子と仲良くなった。彼は「チャットよりメッセンジャーの方が話しやすいよ」といって、ヤフーメッセンジャーを教えてくれた。あたしは、名前の「まり」とハンドルネームの「めのう」を取って、「marimeno」というIDを作った。これは現在でもちょっと気にいっており、今でも携帯のアドレスに入れている。そして、彼の友達「ニュータモリ」という男の子が加わり、3人でよくヤフーチャットをした。このニュータモリ、のちの亮太(神奈川の美容師)である。この時あたしたち中2。
亮太と、すごく仲良しになった。毎日PMをした。色々な話をした。高校生になって、お互い携帯を持ち始めると、すぐ番号を交換し合った。毎日電話をした。そして、告白された。ここで思い出される、ネット恋愛キモい論。大好きな亮太とこのまま友達でいたいけど、ネット恋愛とかキモすぎる。ありえない。ぜーったいありえない。どうしたらいいのだー!!と、友達に相談したら、うっかり付き合う事になってしまった。
最悪だった。亮太と連絡をとるのが億劫になった。亮太が「カップル見てるとうらやましくなる」と言ったとき、別れを決意した。ネット恋愛とか本当にキモすぎる。会った事ないのに付き合ってるとかキモオタのすること。妄想カップル乙。と思っていた。「別れたい」って口にすると、付き合ってたことを実感して、最高にキモかった。
亮太とは以後も仲良くやっている。テレビ電話で、自動車学校の教習本の面白いところを見せっこしたら、2人とも同じ本で笑った。彼氏と別れたら、一番に電話して泣いた。亮太の母親が亡くなった時も、一番に電話がかかってきた。高校の卒業式の前日、2人とも一睡もせずに朝まで電話した。広島にきてくれたし、あたしも神奈川に2回行ったし、とっても仲良くやっている。
そして、相変わらず「ネット恋愛キモい」と思っていた。大学生になっても思っていた。姉がネットで知り合った人と何人も付き合っているけど、「キモいなぁ」と思っていた。「ネット恋愛キモいです」とヤフチャの友達に言うと、結構マジで否定された。「実際会ったらリア友となんら変わりないと思うよ」と言われても、あたしは違うと思っていた。全然まったく違う、ネット友達はどうやったってバーチャルのイメージで、付き合う=二次元オタと同類だと思っていた。
っていうのは、若干嘘。そう思いたかった。あたしの「ネット恋愛キモい論」が少しずつ崩れていっているのに、気づかないフリをしていたのだ。そうじゃないと、本当に誰か好きになってしまいそうだった。ていうか、認めた瞬間、好きになっていただろう人は、いた。彼に対する想いは、かなり恋愛感情に近かった。だけど、そんな自分を認めたくなかったので、断固として「ネット恋愛キモい論」を唱えていた。つい先日まで。
ぶっ壊れた。つい先日ぶっ壊れた。
自分で認め、他人にも言いました。
あたしは今、ネットで知り合った人が好きです。
彼のことをネット友達とは呼びません。
今現在、あたしと彼は「友達」です。